ブログ 〜箱屋の試み〜
◎第二百三十一回 越前に製紙を勧めた女神さま
3月24日(木) 曇り時々晴れ(香川県)
となりの写真でご紹介しているのは、越前地方に紙作りを伝えた「川上御前」という女神さまです。
福井県越前市に、「岡太神社(おかもとじんじゃ)」という神社があります。
この神社に祀られているのが、紙祖神「川上御前」です。
今から1500年ほど前、岡太川上に現れた「川上御前」が、「この地域は谷間が多く田畑には向いていないので、清らかな水流を使って紙を漉(す)いてみなさい。」と、自ら紙を漉(す)いて民に紙の作り方をお教えになられた、という言い伝えが残っています。
そこから、「越前和紙」の歴史は始まった、と言われています。
1500年の歴史って、すごいですよね。
「川上御前」のお話は、店長が福井県に行った際に訪問した、「越前和紙の里」という紙の博物館で聞かせていただきました。
「越前和紙の里」には、和紙を作るための様々な技法や和紙の種類、和紙を通じ歩んできた越前地域の足跡などが数多く紹介されています。
入り口を入ると、和紙の技法の紹介パネルが置いてあります。
「ひっかけ」「落し掛け」「落水・水切り」「流し込み」「漉き掛け」「漉き込み・すかし」などなど、興味深い技法が、写真とその技法で作られた紙、その技法で使われる道具などを使って紹介されています。
入り口正面の奥の部屋に行くと、世界一大きな手漉き和紙が飾られていました。
和紙には、バルセロナオリンピックでマスコットになっていた「コビー」君が、賑やかな街の中で元気いっぱいに飛び回っているイメージの絵が描かれています。
世界一大きな手漉き和紙ですからね。
大きさと描かれている絵に圧倒されました。
この世界一の手漉き和紙の周りには、越前市で紙を作られている業者さんたちが作った、とても個性的な和紙がたくさん並んでいます。
紙の漉き方で、こんなにバリエーション豊かな和紙の世界があるんだなぁ、と、紙の奥深さを改めて感じました。
入り口正面の部屋から2階に上がると、越前地域を中心とする和紙に関する資料を展示してありました。
こちらの方も、新鮮な情報をたくさんもらえる場所でした。
ずいぶん端折った出張報告になってしまいましたが、紙っておもしろいです。
できるだけ多くの紙文化に触れて、おもしろい化粧箱つくりに取り入れて行きたいと思います。
以前予告していましたが、”ちょっと変わった化粧箱”は明日は臨時休業です。
ご了承下さい。
メールは随時受付しております。
次回の”箱屋の試み”、お楽しみに!!
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